結論:ICLレンズに使用期限はない【ただし注意点あり】
最初に結論を書くと、ICLレンズには「○年で交換が必要」という使用期限は設定されていません。
筆者がICL手術を受ける前に執刀医に直接確認したところ、「レンズ自体は半永久的に眼の中に入れておけるもので、定期的な交換は不要」という回答でした。
ただし「半永久的」という表現には少し注意が必要です。これはレンズの素材が劣化しないという意味であって、自分自身の眼の状態が一生変わらないという意味ではありません。
筆者は2024年にICL手術を受け、2年が経過した現在も両目とも視力1.2、眼圧も正常範囲を維持しています。レンズの状態に問題を指摘されたことは一度もありません。この記事では、「ICLは何年持つのか」「どれくらいもつのか」という疑問に対して、実体験と調査の両面から詳しく解説します。
ICLレンズの素材「コラマー」と耐久性の仕組み
10年以上の追跡調査では、角膜内皮細胞密度(ECD)の年間減少率は平均1.13%と報告されています。加齢による自然減少(約0.6%)をわずかに上回りますが、10年経過後も98.5%の症例で2,000個/mm²以上の細胞数が維持されており、角膜の透明性維持に十分な水準です。また、コラマー素材は30年以上の実績があり、生体内での劣化や石灰化は報告されていません。
出典:PMC12010185 / London Cataract Centre(2024/2025)ICLレンズの素材は「コラマー(Collamer)」と呼ばれるもので、ICLの製造元であるSTAAR Surgical社が開発した独自素材です。
筆者が調べた範囲では、コラマーには以下のような特徴があるとされています。
- 生体適合性が高い:人体が異物として認識しにくい素材で、眼内で炎症反応を起こしにくい。コラーゲンを含む素材のため、眼の組織となじみやすい設計になっている
- 紫外線カット機能:有害な紫外線をカットする機能が素材自体に含まれている
- 経年劣化しにくい:眼内の水分(房水)の中で変質しにくい設計。コンタクトレンズのような「使用期限」という概念がない
コンタクトレンズは「2週間で交換」「1日使い捨て」が当たり前ですが、ICLレンズは一度挿入したら基本的にそのまま入れ続けるものです。
筆者は乱視用のトーリックICLレンズを挿入していますが、2年経過時点で乱視のズレも指摘されておらず、レンズの位置も安定しています。
「半永久的」「永久」は本当か?正しい理解
「ICLは半永久的」「ICLレンズは永久に使える」という説明をネット上で見かけることがありますが、これを聞いて「一回入れたら一生何もしなくていい」と思うのは少し違います。
正確に言うと、レンズの素材自体は劣化しないが、自分の眼は年齢とともに変化するということです。具体的には以下のような変化がありえます。
- 近視の進行:特に20代など若い年代では、ICL後にも近視が進む可能性がある。筆者の執刀医によると「30代であれば近視の進行はほぼ止まっている」とのこと
- 老眼:40代以降は誰でも老眼が進む。ICLは老眼を防ぐものではない。ただしICLを入れていても老眼鏡やリーディンググラスで対応できる
- 白内障:加齢とともに誰でもリスクが上がる。白内障手術の際にはICLを取り出す必要がある(後述)
つまり、「レンズは半永久的でも、自分の眼の変化に応じて対処が必要になることはある」ということです。だからこそ術後の定期検診が重要になります。
筆者の執刀医からは「半年〜1年に1回は検診に来てほしい」と言われており、3ヶ月検診の際には「今後は半年後か1年後に来てね」という指示でした。
ICLレンズの交換・取り出しが必要になる3つのケース
ICLレンズに使用期限はないものの、以下のようなケースではレンズの入れ替えや取り出しが検討されることがあるとされています。
ケース①:近視が進行して度数が合わなくなった場合
手術後に近視が進行すると、挿入したレンズの度数では矯正が不十分になることがあります。この場合、レンズを取り出して新しい度数のレンズに入れ替えることが可能です。
筆者は30代で手術を受けましたが、執刀医からは「30代であれば近視の進行はほぼ止まっているので、度数が大きくズレる可能性は低い」と説明されました。実際、手術翌日の視力検査で1.2が出て以降、1週間・1ヶ月・3ヶ月・1年・2年のすべての検診で視力1.2を維持しています(3ヶ月検診時は1.5も出ました)。
ケース②:白内障手術を受ける場合
将来的に白内障になった場合は、ICLレンズを取り出してから白内障手術を行います。白内障は加齢に伴い誰でもリスクがあるため、これはICL特有のデメリットというよりは「将来的にそういう手順が必要になる可能性がある」という理解が正確です。
ケース③:眼圧上昇などの合併症が生じた場合
稀にICLレンズが原因で眼圧が上昇するケースがあるとされています。この場合もレンズを取り出すことで対処できます。
筆者の場合、手術直後は眼圧が30〜40と高めでしたが、翌日検診では17(正常値)まで下がりました。その後の検診データは以下のとおりです。
- 1週間検診:眼圧17〜19
- 1ヶ月検診:眼圧15
- 3ヶ月検診:眼圧15〜18
- 1年検診:眼圧16〜18
- 2年経過:眼圧16〜18
手術直後こそ高かったものの、翌日以降はすべて正常範囲内で推移しています。
いずれのケースでもICLの大きな利点は「可逆性」です。レーシックのように角膜を削るわけではないため、レンズを取り出せば手術前の状態に戻すことができます。「何年持つか不安」「どれくらいもつか分からない」という方にとって、万が一のときに元に戻せるという安心感は、ICLを選ぶ大きな理由になると筆者は考えています。
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将来の白内障とICLの関係|「詰む」ことはない
長期安全性に関するデータとして、旧モデルを含む12年間の追跡調査では症例の19.7%に白内障が認められましたが、これは主にレンズと水晶体の隙間(ヴォルト)が極端に低い症例に限定されていました。一方、中央孔を持つ最新のEVOモデルでは、3年間のFDA試験における白内障発生率はわずか0.16%(629眼中1件)と劇的に低減しています。
出典:ResearchGate / PMC12010185(2025/2024)ICLの寿命を調べていると「白内障になったらどうするの?」という疑問にたどり着く方も多いと思います。筆者もまさにそうでした。
調べた結果と執刀医への確認を総合すると、現時点で分かっていることは以下のとおりです。
- 白内障手術の際にはICLレンズを取り出す必要がある
- ICLレンズを入れていること自体が白内障手術の妨げになるわけではない
- 白内障手術では眼内レンズ(IOL)を入れるため、結果的に近視も矯正されることが多い
- むしろICLは取り出しが可能なため、白内障手術との相性は悪くない
つまり、将来白内障になったとしても「ICLを入れていたせいで詰む」ということはないと理解しています。ただし、白内障手術の際にICL手術を受けた経験があることを必ず医師に伝える必要があります。
また、将来の白内障手術においても、ICLは角膜形状を一切変化させないため、白内障手術時の眼内レンズ(IOL)度数計算精度が、角膜を削るレーザー手術を受けた眼より格段に高くなります。つまり、将来の白内障手術でもより正確な視力回復が期待できるのがICLの大きな利点です。
出典:Sharpe Vision / Eye Clinic London(2026/2023)ICLとレーシックの「持続性」を比較
強度近視におけるICLの10年後の屈折安定性は約98%と報告されており、角膜を削らないICLの方がレーザー手術より長期的な安定性が高い傾向にあります。
出典:Sharpe Vision(2026)「何年持つか」が気になっている方は、レーシックとの比較も気になるのではないでしょうか。筆者が調べた範囲での違いは以下のとおりです。
| 項目 | ICL | レーシック |
|---|---|---|
| 効果の持続 | レンズが入っている限り持続 | 角膜のリモデリングにより一部戻る可能性あり |
| 可逆性 | レンズを取り出せば元に戻せる | 角膜を削るため元には戻せない |
| 近視の再進行 | 可能性あり(レンズ入れ替えで対応可能) | 可能性あり(再手術は角膜の厚さ次第) |
| 白内障への影響 | レンズを取り出して白内障手術可能 | 白内障手術時の度数計算がやや複雑になる場合あり |
| 追加処置の選択肢 | レンズ入れ替え・取り出しが可能 | 角膜の残量次第で再手術の制限あり |
筆者がICLを選んだ理由の一つは、まさにこの「可逆性」でした。眼科で相談した際にも「レーシックでも大丈夫だとは思うが」という前置きつつ、筆者の強度近視を考慮するとICLの方が安心という判断でした。
将来何が起きるか分からないからこそ、「元に戻せる選択肢」を選んだことは、2年経った今でも正しい判断だったと思っています。
【実データ公開】筆者の2年間の経過記録
「実際に何年持っているのか」が一番知りたい情報だと思うので、筆者の2年間の定期検診の記録をすべて公開します。
筆者のプロフィール
- 30代男性・会社員(子育て中)
- 術前は強度近視(裸眼0.01レベル)
- 両目(乱視あり)でICL手術、費用71万円
- 初回の適応検査では前房深度が狭いという理由で適応外と言われたが、執刀医との再相談で手術を受けた経緯あり
検診データ一覧
| 時期 | 視力 | 眼圧 | レンズの状態 | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| 手術直後 | 体感0.5程度 | 30〜40(高め) | — | 白いモヤあり。右目下部に内出血 |
| 翌日検診 | 1.2 | 17 | 問題なし | モヤ消失。手元にやや合いづらさあり |
| 1週間検診 | 1.2 | 17〜19 | 問題なし | 乱視もキレイに修正できたと言われた。洗顔・洗髪解禁 |
| 1ヶ月検診 | 1.2 | 15 | 問題なし | 目薬もほぼ終了 |
| 3ヶ月検診 | 1.2〜1.5 | 15〜18 | 問題なし | 「今後は半年後か1年後に」とのこと |
| 1年検診 | 1.2 | 16〜18 | 問題なし | 順調 |
| 2年経過 | 1.2(両目) | 16〜18 | 問題なし | 特に問題なし |
2年間にわたってレンズの位置ズレ・劣化・眼圧異常といった問題は一切ありませんでした。乱視用レンズ(トーリックICL)を入れていますが、1週間検診で「乱視もキレイに修正できた」と言われて以降、乱視のズレも一度も指摘されていません。
もちろん2年はまだ「長期」とは言えない期間ですが、少なくとも中期的な経過としては順調です。今後も検診のたびにこの記録を更新していく予定です。
定期検診の内容と費用|レンズを長持ちさせるために
ICLの寿命を長く保つうえで最も大切なのが定期検診です。筆者が実際に受けている検診の内容は以下のとおりです。
- 視力検査:度数のズレがないか確認
- 眼圧検査:ICLレンズによる眼圧上昇がないか確認(筆者は毎回15〜19の範囲で安定)
- 眼底検査:レンズの位置や眼内の状態を確認(散瞳検査を行う場合もあり)
- 気球を見る検査(オートレフ):屈折の変化がないか確認
筆者の手術先では、3ヶ月検診までは手術費用71万円に含まれており追加費用は不要でした。それ以降は保険診療で定期検診を受けており、費用は1回あたり数千円程度です。
手術後の検診頻度としては、翌日→1週間→1ヶ月→3ヶ月と続けざまにあり、その後は半年〜1年に1回のペースです。筆者は年1回のペースで通院しています。
レンズ自体に寿命がなくても、定期的に状態を確認し続けることが、ICLを安心して使い続けるための最大のポイントだと実感しています。
ICLの寿命に関するよくある質問
Q. ICLレンズは一生使えますか?
レンズの素材(コラマー)自体は経年劣化しにくい設計で、「○年で交換」という使用期限はありません。ただし自分の眼の変化(近視の進行、老眼、白内障など)に応じて対処が必要になることはあります。筆者は2年経過時点でレンズに一切問題なく使えています。
Q. ICLレンズの交換は何年ごとに必要ですか?
定期的な交換は不要です。レンズ交換が必要になるのは、近視が進行して度数が合わなくなった場合や、白内障手術を受ける場合など、特定の理由がある場合のみです。
Q. ICLを入れたまま白内障手術はできますか?
ICLレンズを取り出してから白内障手術を行う必要があります。ICLが入っていること自体が白内障手術の妨げにはなりません。白内障手術では眼内レンズを入れるため、結果的に近視も矯正されることが多いとされています。
Q. ICLは永久にもちますか?レーシックとどちらが長持ちしますか?
ICLレンズの素材には使用期限がなく「半永久的」とされています。レーシックは角膜を削ることで矯正しますが、角膜のリモデリングにより一部戻る可能性があるとされています。ICLの大きな利点は、万が一問題が生じてもレンズを取り出して元の状態に戻せる「可逆性」がある点です。
Q. 前房深度が狭いと言われてもICLは受けられますか?
筆者自身、初回の適応検査で前房深度が基準値より狭いという理由で適応外と判定されました。しかし再度通院して執刀医と直接相談したところ、「基準値より低いが数パーセントの差であり、経験上そこまで深刻ではない」という判断で手術を受けることができました。2年経った現在も問題なく経過しています。ただし個人差がありますので、必ず執刀医にご相談ください。
まとめ:ICLは何年持つのか
- ICLレンズに使用期限は設定されておらず、定期的な交換は不要
- 素材(コラマー)は眼内で劣化しにくい設計で「半永久的」とされる
- ただし、近視の進行・老眼・白内障など「自分の眼の変化」には対応が必要
- 必要に応じてレンズの入れ替え・取り出しが可能(可逆性がICLの大きな強み)
- 将来白内障になっても、レンズを取り出して手術は可能
- レンズを安心して使い続けるための最大のポイントは定期検診
- 筆者は2年経過時点で視力1.2・眼圧正常・乱視ズレなし・レンズに問題なし
「ICLは何年持つの?」「どれくらいもつの?」という疑問に対しての筆者の結論は、「レンズ自体に寿命はないが、自分の眼の変化に応じて対処は必要。そのためにも定期検診が大事」ということです。
2年使ってみて改めて感じているのは、ICLの「可逆性」という特長の大きさです。レーシックのように角膜を削るわけではないため、将来何か問題が起きても「レンズを取り出して元に戻す」という選択肢が常にある。この安心感は、「何年持つか」という不安を大きく和らげてくれるものだと思っています。
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【免責事項】
本記事は筆者個人の体験記録であり、特定の医療機関・製品を推奨するものではありません。ICLの適応や効果には個人差があります。必ず眼科専門医にご相談ください。